Akihiro Yasui
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記事公開:「堆肥作りは、料理作り。公共コンポストで地域を“発酵”させるサーキュラーエコノミー」

記事公開:「堆肥作りは、料理作り。公共コンポストで地域を“発酵”させるサーキュラーエコノミー」

「全ての生ごみは完熟堆肥にされて、地域の農家さんに提供される。」
 
僕はそんな世の中を当たり前にしたいと思っています。
 
世界中の市区町村には堆肥舎があって、みんな学校教育で野菜の作り方や堆肥の仕込み方を習う。
 
地域の農家さんは完熟堆肥で美味しい野菜や果物、穀物を作ることができて、子どもたちの給食のオーガニック化や在来種の育成、ひいては防災や廃校の活用にまで。魅力ある街づくりによってインバウンド事業や移住者促進にも繋がる。
 
今回はその一歩が始まっている黒川温泉での取り組みをIDEAS FOR GOODに取材していただきました。
 
https://ideasforgood.jp/2020/09/28/kamoshidajun-yasuiakihiro-circulareconomy-compost/
 
黒川温泉の方々と出会うことになったきっかけは本当に些細なことでした。
 
今年の5月、黒川温泉事務局長のHajime KitayamaさんにたまたまTwitterでフォローしていただき、「おもしろそうな経歴の方だな」と興味本位にTwitterやFacebookのタイムラインを訪れてみると、黒川温泉を本心からよりよくしたい想いが伝わってくる投稿ばかり。
 
早速メッセージをお送りさせていただきZoomでお話させていただくと共通の関心事が多く、早速旅館御客屋の社長北里有紀さんとJun Kamoshidaを交えて2回目のZoom会議を開かせていただくことに。そこからIDEAS FOR GOODの記事でも取り上げていただいた活動が本格的に進むことになりました。それが今年の5月から8月にかけてのお話です。
 
先週、鴨志田くんと僕は3日間黒川温泉を訪れてきました。
 
現地を訪れたのはまだ2回目です。印象的だったことは、僕たちがいない間にも現地の方々が生き生きとプロジェクトを進めていたことでした。
 
少しでも早く堆肥化の実証実験を行おうと、オンラインで鴨志田くんに指導を仰ぎながら堆肥舎を完成させていた旅館わかば代表のNozomu Shigaさん。予算獲得に奔走してくださった北山さん。旅館関係者や行政、周辺地域の方々にも丁寧に説明をして回ってくださっていた北里さん。そして堆肥作りに必要なもみがらや落ち葉、赤土等の資源を探して集めてくださったたくさんの方々。
 
「落ち葉がもっと必要だけど、どこにあるだろう?」
 
「ooさんの牛フン、使わせてもらえないかな?」
 
「鴨志田さんお話しで、針葉樹の例外として松は堆肥作りに適しているとあったから探してみようね。」
 
「今まで落ち葉ももみがらも廃棄してたけど、堆肥作りに活用したらサーキュラーエコノミーが進められるね。」
 
「鴨志田さんと安居さんが来るまでに堆肥舎を完成させておこう。」
僕と鴨志田くんからは1回目の訪問時にサーキュラーエコノミーと完熟堆肥作りの勉強会を開催させていただいたのですが、たった一回の講習会で現地の方々は120%以上理解してくださり、僕たちがいない間に信じられないスピード感で進めてくださっていました。
 
そのおかげもあり、記事中に先週撮りたてホヤホヤの写真が掲載されているように、堆肥の仕込みがついに始まりました。今こうしている間にも微生物は発酵を促進し、60-65℃で微生物燃焼を行い良質な完熟堆肥を作ってくれています。
 
完熟堆肥はワインと似てる側面もあります。熟成が進むほど価値が増すのです。5年、10年ものの完熟堆肥はそれこそ「枯れ木に花を咲かせましょう」のような効力があり、農業のみならず様々な分野で重宝されるほどの価値を持ちます。
 
また、これは別の機会に詳しく話そうと思いますが、僕はこの先には慣行農法とも自然栽培とも異なる、完熟堆肥を自分たちで作ることを軸にした新しい選択肢が提示できると思っています。それはどれを正しいと言うわけでも、否定するわけでもなく、農業に携わる人が選べる引き出しの数を増やすことに繋がります。
 
一昨日は人口12万人を抱える鹿児島県霧島市で中重市長にお話しを聞いていただき、非常に好意的なフィードバックをいただきました。
 
これまで他にも色々な自治体や企業の方々へお話しをさせていただいてきたのですが、(誇張ではなく、)ポジティブな反応しかいただけていないほど、今の世の中に必要とされている活動だと感じています。
 
日本全国で老朽化が進んでいて新設するかどうかが議論されている焼却処分場に対して、自治体によっては生ごみの活用ができれば新設をしなくても済むかもしれないという声も聞かれます。可燃ごみの回収頻度を大幅に減らせる目処も立っています。
 
こういった活動を進める中で自然と起こっていることは、「人間関係の発酵」だと思います。これまであまり関係を持たなかった人同士が関わり合い、有機的に結びつく。その関係からは全く新しいものが生まれ、全体として魅力的な地域になる。
 
黒川温泉で地域の方々を中心に始まっているこの取り組みを他の地域や海外でも進めていくことができたら、世界を一歩「こうだったらいいな」という方向に進めることができると、本気で思っています。
 
取り組みはまだまだ始まったばかり。
 
実験的なプロジェクトに対しては、「learning by doing(やりながら、学んでいく)」というオランダのマインドで取り組んでいく。
 
世界でまだ誰もやっていないことをやっていこう。

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